医薬品・バイオ技術・提携・契約
ビジネスモデル・コンサルティング・講演
医薬ライセンス研究所




≪ リスク管理と医薬ライセンス業務 | TOP | リスク管理、倫理観と透明性 ≫


じり貧か?改革か?

  - 2011年11月10日  最近の出来事と医薬ライセンス

去る7月下旬から、人生初めてのスポーツジム通いを始めた。友人からの勧めもあって始めたジム通いであるが、毎週1回週末に、多忙であっても必ず2時間程度汗を流す。ときには、過密な生活スケジュールをいい訳にして休みたくなることもあるが、休まずに何とか続いている。通勤での過酷なトレーニングの代替えとまではいかないが幾ばくかの補助にはなる。(今週の或るTV放送によるとジム通いは3ヶ月未満でやめる人が極めて多いと言うことであった。)

さて、3ヶ月強のジム通いで気付いたことがある。年配者も若年者にも、ジムでは肥満タイプの人を殆ど見掛けない。何故か?トレーニングの効果で肥満が治ったというよりも、メタボ(?)の人はスポーツジムには余り来ないのではないか?というのが暫定的な結論である。誰しも現在の生活や仕事のスタイルを変えたくはない。変えない方が楽だからである。高校時代に学んだ「ルシャトリエの法則」や「慣性の法則」を思い出す。自然界では現状を変革しようとすると必ずそれに逆らう力が働いて現状を維持させようとする。簡単に言うと、例えば、「或る溶媒に対する或る溶質の溶解度が温度上昇により増加する場合には、溶質の溶解により溶液の温度は低下する方向に向かい、溶質が溶けることを妨害する」といった感じである。これは、Perfect System で運行する自然界の法則である。

ところが、粗悪で不完全な System で動く人間社会でも同じことが起きる。TPP問題が将にそれである。TPP参加に積極的な業界が稼いで払った税金が間接的に原資の一部となったかも知れない補助金のお陰を蒙る業界が、今、TPPに猛反対(皆さんは、慎重に!といってはいるが、)しているのである。2年前の事業仕分けの時にも「メンバーに外国人を入れるな!」「外国人に日本のことが分かる訳がない」と言って、有能な外国人アナリストを排除しようとした外人嫌いの方々や、利権にかじりついている様にも見える皆さんが、農業の変化に露骨に反対(慎重と言い換えてはいるが、)している訳でもあるまい。農業従事者、関係者の中にも、努力・工夫で変化をしなければ農業は永久にパラサイト状態を継続しなければならないと考えている向きも少なからずいるようである。改革に反対する業界団体も輸出産業が衰退すれば補助金漬けの原資(税収)がなくなり何れ儘ならなくなることが分からない訳ではあるまい。野党の多くと与党の一部にも選挙権の不公平に基づく票田のお陰で辛うじて議員の立場を維持している方々がTPPに反対していると言う人もいる。

このままでは旧態依然な農業を抱えて日本国がじり貧になるのは目に見えている。戦後の繊維の自由化、自動車の自由化で反対があっても自由化され、その後の繊維関係の繁栄と現在の自動車産業となっている。農業だけは違うと言っても制度改革が伴えば農業に日本の底力が発揮されるに違いないと考える人も多いのではないか。深刻な財政危機に至っても変革を嫌い甘えの構造を先延ばしし火炎瓶を投げて緊縮財政に反対するギリシアの皆さんを笑えるような情況ではない。日本国の借金が1,000.兆円になったのが数日前である。TPPに関して、本日夕方には、野田さんが総理として如何なるリーダーシップを示すかが見物である。TPPにおける自由貿易という根幹の問題と、農業、医療等における個別の問題とを恰も直接関係するかの如くとらえるのではなく、個別の問題は個々に解決するという思考方式をとらない限り何事も先に進むことはない。医薬ライセンスとて同じことである。尤も、水商売とパチンコと併せて「脱X御三家」とも言われている医療機関関係者が「医療に株式会社のような金儲けの仕組みを持ち込むことは許せない」などと真顔で言っているのを聞くと、明晰な脳みそが混乱してしまう人もいるかも知れない。

中堅企業が外資買収に対して用心のためにpoison条項を定款に挿入し外資ならずとも国内投資家も見向きもしないような低位の株価を長年続けたり、Bio-Ventureが外部の知恵を入れるでもなく製品の開発やライセンス活動の仕方もわからないままに、単に資本金を食い潰しているだけの例もない訳ではない。医薬ライセンスに限って見ても、呆れる様な体制と(無?)経験者が寄り集まって経営しているような例が何と多いことか。筆者などは、専門家の知恵を入れて、充分論理的にして経験と知識に基づく戦略を立てて事業開発ライセンス活動を行う方が、同じ失敗をするにしても、何にも考えず、体だけは只忙しく走り廻って日々の操業のために働き、解決すべき事態を見過ごして失敗するよりも、後々のために役立つに違いない等と考えるのである。

(筆者も、改革して、コラムの頻度を増やすことを考えてはいるのだが・・・)

2011-11-10 [EDIT]




 

Copyright(C)2005 有限会社 医薬ライセンス研究所 All Rihgts Reserved.