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リスク管理、倫理観と透明性
- 2012年2月1日 最近の出来事と医薬ライセンス既に1月も終わりである。昨年は、多くの人々にとって本当に大変な年であった。心が痛む年であった。今に至っても未だ苦境の直中におられる方々も多いことであろう。今年こそは復活の年でありたいと願う。今、昨年を振り返ってみると、特に @リスク管理、A倫理 & 透明性 に思いを馳せた1年であった。
@に関して言えば、東日本大震災、原発事故、企業経営 Aに関して言えば、Pentax、大王製紙、東京電力、政治全般の相も変わらぬ現況等、枚挙にいとまがない。本日も矢崎総業(1/31 米でカルテル、罰金360億円、幹部禁錮刑 )の記事、直前の三菱電機等(1/20 公正取引委員会からの約40億円課徴金)による独占禁止法違反の記事等を見るに付け何ともやりきれない気持ちになると同時にこれらの大企業のリスク管理(のお粗末さ?)と倫理観(のなさ?)には唯々驚くばかりという人も多いのではなかろうか。
さて、話を医薬ライセンス・アライアンス(医薬知財提携)に絞ってみるとどうであろうか? @リスク管理に関して、医薬知財提携に限って言えば、筆者は、想定外のリスク、即ち、不可抗力?(Force Majeure) 等というものは殆ど存在しないと思っている。例えばバイオベンチャーの医薬知財提携では、i) 自らの準備不足故に勝手に引き起こす危機、ii) 相手側と自らと双方の経験と知識不足により生じる危機、iii)最後が、経験も知識も有るが倫理観に乏しい又はdouble-standardを持つ製薬関連企業等との交渉に起因する危機である。
i)の具体例を挙げれば、医薬品(研究、製造、開発、規制、販売等)に関する総合的知識、ライセンス・技術提携・契約交渉に関する実践的知識、知財に関する専門知識を持たないバイオベンチャー等企業が、その現状を理解していない投資ファンド等の指導で事業運営をしている状況故の危機というものが実際存在するとすれば将にそれである。時代劇で言えば提灯も持たずに雨の夜に裸足で峠越えをする旅人がいて、劇の観客が、旅人が何時足を踏み外して谷底に落ちるかハラハラ・ドキドキしながら見ている状況であろうか?ii)の例としては、前述の様なバイオベンチャー等企業が大学法人(TLOを含む)と提携交渉する時の状況がぴったりかも知れない。バイオベンチャーにとって大学法人との提携・連携は避けては通れない。敢えて言えば、大学(TLOを含む)が医薬に関する産学連携の成功を望むなら、先ず、産学連携の実践とは何か?契約書というものの意味は?知財とは何か?医薬品事業の特殊性とは?等、医薬産学連携を実践するための最低限の基本的基礎的知識を準備できているか否かを認識するところから始めるべきかも知れない。iii)日本国内に本社を持つ医薬関連企業が、将来のパートナーに育って欲しい日の丸バイオベンチャーの知財や技術を正当な国際標準条件で扱っているか?外資大手と交渉するときと同じくバイオベンチャーとも同じ国際標準に基づき交渉しているか?もしもそうでない医薬関連企業とバイオベンチャーとの交渉があれば、それは将にiii)の事例ということができる。バイオベンチャーにおいても、知財や技術提携条件に関する国際標準とは何かを相手企業に説明する位の知識と意気込みは事業開発を担当するものの最低必要な要件である。
繰り返しになるが、医薬ライセンス・アライアンス(医薬知財提携)に限って言えば、@のリスクは、天災や不可抗力によるものとは異なり、自らを知り必要な準備と対策を僅かばかり(但し的確に)実践することによりかなりの部分排除できるのである。難しいのは、「自らを知る」ことができるか否かである。昨年のギリシアのデモ、この国難の時に自らの発言に責任を持たない情けない政治家の多くを生み出している(もしかしたら筆者自身も含む)日本の選挙民を目の当たりにするに付け、「己を知る」ことの難しさを感じるのである。
Aに関して言えば、日本企業の評判にも影響することである。日本企業は真面目で正直であるという評判がある一方、人の目を異常に気にし、人の目があるところでは確かに「真面目で正直である」が絶対的な倫理観、価値観は持たないため、「人が見ていないと小ずるく立ち回る。監視していないと油断ならない。」等と思われているかも知れない。@iii)の医薬関連企業の事例が将にそれである。本日のニュースでもあった沖縄防衛局による有権者リスト作成問題(法令遵守?)、議事録未作成問題(透明性?)でも政治家や官僚の立ち振る舞いが情けない。アジアや欧米の特定の国と比べて「日本は未だましだ」などと言うのは止めにしたい。この様な情けない(日本を代表する日本企業による)事例の数々が(米国等で地位挽回を狙う自動車各社はもとより、)国際ライセンス・提携交渉において日本企業の立場を有利にすることには決してならないのだから。
2012-2-01 [EDIT]


