· 

ファイザーがアムロジンで仮処分申請

Yahoo Finance、2005年10月25日(火) 6時53分 の記事によると、大日本住友製薬には「アムロジン」に関してファイザー社が仮処分命令を申し立て大日本住友製薬 <4506> にはファイザー社が「アムロジン」(持続性カルシウム拮抗剤)にかかわる仮処分命令申し立てを行い、市場の関心を集めている。 

 

記事によると、『同社は今月に旧大日本製薬と旧住友製薬が合併してスタートした製薬会社だが、旧住友製薬は「アムロジン」に関するライセンス契約を同社に継承するにあたって、住友化学 <4005> に契約を譲渡、その上で住友化学が同社に再実施許諾をしてライセンス生産を行っていた。しかし、ライセンサーであるファイザー社は「旧住友製薬が旧大日本製薬との合併によって消滅したため、ライセンス契約も解除された」と主張、今回の仮処分申し立てになったもの。これについて同社では「国内外の弁護士・専門家を含めて十分に検討した結果、ライセンス契約は有効に存続しているとの当社主張の正当性は認められるものと確信している」(会社側)とコメント。 』ということである。

 

先般も、2005/7/9の記事で、第一製薬が三共との合併により、脳梗塞(こうそく)再発予防薬「プラビックス」(承認申請中)の国内の営業権を仏サノフィ・アベンティスに返還することになったという件に付き記載した。

 

この様な事例が続けば、日本の医薬品企業、医薬品関係者の外資に対する目が更に冷ややかになるのではないかと心配でもある。一般に、多国籍巨大企業ともなると縦割りによる弊害で個々の部門が、或いは個人が手柄欲しさに、大局的に会社の損得を勘案する前に、思いつきでこの様な愚かとも見える勝負に出ることはあり得る。多忙な上層部が無定見にそれに乗っかることも考えられないことではない。

 

外資についても、売上げ、製品力、品格、日本社会への貢献度(納税、雇用、医療への貢献等)が会社毎に色分けされる様になってきており、長期的な企業の繁栄を目指し、規模のみの追求から、規模と品格の追求へと努力目標を転換する会社も少なくない。

 

マスコミ等の情報によると、ファイザーの言い分は「合併による存続会社は、大日本製薬で、アムロジンのライセンス先の住友製薬は消滅したので、ライセンスも解除された」と主張している様である。この様な申し立てをする場合に、申し立て側にとって大事なことは、

 

①(準拠法と思われる)日本の法律を勉強しているか? 

②彼我、逆の立場ならどうか?考えてみる。 

③自社の事業の将来にどの様な影響があるか?考えてみる。 

 

①については、ファイザージャパンが事前に本社の相談を受けていない様であるから、多分No!であろうか? ②は、どうであったろうか? ③は、日本文化をどれだけ理解しているかが問題となるであろう。この様な文化を持った企業とのアライアンスは、できれば避けたいという日本企業は出てくるかもしれない。

 

日本企業同士の、松下電器のAtok訴訟もそうであった。勝ち負けの予想。勝っても負けても損をする様な訴訟はしないのが、有能なlawyerであろう。

 

契約書が公開されないので、正しい論評は出来ないが、①再実施権供与に対するライセンサーからの事前承諾規定の有無、②合併により名義が消滅しても実質が残っている場合、名義消滅会社の権利義務の解釈などが重要となるであろう。ライセンス契約を書く上で特にに気を付けなければならないことは、契約満了、解約、倒産、合併、買収である。

 

(契約条文を見ずに種々の情報から)乱暴な予想をすれば、見かけより実質、法の精神を重視する最近の日本司法の判断からすれば、住友側が勝つ可能性が高い様に思える。