ブログカテゴリ:契約書



医薬ライセンス · 2006/08/29
(2005/10/25 Cultureに関連記事あり) 朝日、毎日、薬事日報等の記事によると、「住友化学と大日本住友製薬は共同発表(2006/8/21)し、大日本住友製薬が製造・販売するアムロジンのライセンスをめぐり、ファイザー社による仮処分申請(2005/9)に端を発し、日英両国にて双方提訴の訴訟となっていた件で、和解したと発表した。」なかなか判決が公開されないので、或いは?と思ってはいたが、判決文の中身(裁判所の判断の内容)に期待していたものとしては少し残念な結末ではある。 和解内容は、ファイザー社、大日本住友および住友化学は、日本および英国で提起した全ての訴訟を取り下げ、ファイザー社(Pfizer Ltd., Pfizer Corp.の2社)と大日本住友製薬は、アムロジンに関して旧住友製薬が有していたものと同一の権利・義務を規定した新しいライセンス契約を締結する、ファイザー社と大日本住友製薬および住友化学の間には、「本件和解に伴う和解金等の金銭の授受はない」というものである。 大日本住友によると、新しいライセンス契約は、ファイザー社との間で、大日本住友の発足時に遡り、締結し
医薬ライセンス · 2006/08/21
締結済みの契約書に関連した「修正のための覚書草案」を見たときの話である。当の締結済み契約書名と締結日時が記載されていない。覚書でreferする契約書を指して、「甲と乙が締結した契約書に付いて」とだけ書けばその契約書を特定出来るのは、草案を起案した作者だけである。また、ある時は、契約書締結後の重要な修正覚書がreferされていない。良く調べずに、重要な修正覚書をreferせずにその内容と矛盾した修正覚書を締結してしまえば、後日大きな問題が起こるのは明白である。 何れも、一流化学企業であり、一流製薬企業といわれている企業が関係する事例である。また、ある時は、締結済み契約書の一方当事者甲と当事者でない会社(他の当事者の提携会社)が、締結済み契約書の改訂覚書を締結しようとしている。契約書の当事者でないものがである。又あるときは、締結済み実施権契約書に規定された「別途『供給契約書』を締結する」という条文に従って、『供給契約書』ではなく『取引基本契約書』という名称の契約書を締結しようとしている。何と、『供給契約書』より、『取引基本契約書』という名前の方が内容に合致すると考えたためだという。勝手に

医薬ライセンス · 2006/07/17
(1)FRR(First Refusal Right) & Option Right 今話題の国連決議やサミットの共同声明では、時として、国内向けと国外向けで異なった解釈が(玉虫色解釈)されることがある。これは、合意出来ないものに合意した様に見せかけるための苦肉の策でも有ろう。国内向けと国外向けでは異なった解釈が出来るような曖昧な文章が有効なのである。一方、契約書では、提携をすることにより両者のパイが大きくなることは、双方合意の見解であり、必ず両者共が満足出来る解が有ることは明瞭であるので、玉虫色の条文は望ましくはないのである。 ライセンス契約で使用される言葉で、定義するまでもない世界共通の用語だと思っていたら、両者間で全く異なった意味を持つ言葉だったりするものもある。Co-promotionの意味合いなどがその例であろう。一方、ライセンス担当の方々みんなの解釈は概ね一致しているが、よく聞いてみたら正確には答えられなかったり、類似の他の用語と意味を取り違えていたりするのが、FRR(First Refusal Right、第一拒否権)とOption Right(選択権)である。
2006/06/15
(立場により異なるべき契約条項) ライセンス交渉では、契約書を自社で起案するか、相手方に起案して貰うかで、その結果は大きく異なる。自社で起案することが出来れば、交渉の半分は巧く行ったも同然である。但し、自社に有利で有りながら、相手方から見てもそれ程違和感が感じられない草案を作れるかどうかが鍵である。 ところで、Global企業のlawyerは、例えConfidentiality Agreement(CDA)であっても最低7種類のTemplateを用意している。①情報を開示する場合のhard, soft, mediumと、②情報を受領する場合のhard, soft, mediumと、③相互開示の場合の1種類、計7種類である。日本企業の殆どは、情報を開示する場合も、受領する場合も同じ控えめなTemplateが1種類である。何ともお人の良いことである。何故、たかがCDA草案をGlobal企業が7種類も用意するのか?それすら気付かない、単なる無知のこともある。

医薬ライセンス · 2006/01/09
Alliance Management 一般にライセンス部門(研究所を含む)が担当する役割には、大きく分けて3種類ある。第1番目は、探索評価である。特に導入の場合には、他社技術や製品の探索と評価を行う。科学的技術的評価、特許及び市場性の評価がある。これがうまく機能しないと欲しい製品の導入で他社に先を越されたり、不必要な製品を導入してしまったりする。第2番目は、交渉及び契約締結である。ライセンスと言えばこの第2番目の仕事が中心となることが多い。第3番目は、契約締結後の推進管理業務である。 第2番目の仕事が巧くいかないと、不利な経済条件で製品や技術の導入・導出をしたり、契約後5年も10年も経ってから、思いもよらない災難が降りかかってくることになる。
Culture · 2005/11/19
検査会社、着工後も2度見逃す 耐震強度偽造(2005年11月19日13時05分 asahi.com) (姉歯建築設計事務所により)偽造された構造計算書に基づいて耐震性能の不足するマンションなどが建てられていた問題で、着工前の建築確認をした民間検査機関イーホームズ(藤田東吾社長、東京都)が、完成した14棟のうち12棟で、着工後の中間検査と完了検査も手がけていたことがわかった。偽造書類が複数のチェックの機会をすり抜けたことを受け、国土交通省は検査制度のあり方を再点検する。(途中略) 着工後の2度の検査機会でも不正を見抜けなかった理由について、同社は「設計図は建築確認で審査済みなので、検査では工事が設計図通りかどうかを確認した。現場の鉄筋の数などを見ただけで、欠陥と見抜くのは相当な専門家でないと無理」としている。(以下略) ( )内は、編者註。

医薬ライセンス · 2005/09/10
契約書中に努力義務を規定 導出先の努力義務を契約書で規定し、せっかくの導出品を塩漬けにさせず、真面目に開発販売して貰うにはどうすればよいか? 一般に記載されるのは、導入側が "commercially reasonable effort"をもって開発するという規定である。国際契約では、導入側は"best effort"するなどと書いてはいけない。日本では「最善を尽くす」というのは当たり前のことであり「商習慣に基づく妥当な努力を払う」等という相手には喜んで導出する気にもならないであろう。
医薬ライセンス · 2005/07/24
以前、契約書のひな型は使わない方が望ましいという趣旨のことを書いた。契約書には、両当事者が合意した内容を書けばよいといったことがある。それ自体は正しい。ただ、仮にも契約書や覚書と言うからには、しかもそれを企業同士で結ぶからには、それなりの書式がある。 子供時代に夏休みの絵日記を書いた経験を持つ人も多いと思うが、必ず書かねばならないことがあったはずである。即ち、年月日、天気、話題と登場人物などである。契約書も同じである。では、契約書に必ず記載する必要要素とは何か?それは、①契約当事者名、②Subject/主題と合意事項、③契約有効期間であろうか。 また、過去に同じ主題について、同じ当事者間で何らかの契約(取り決め)が既に存在すれば、話は若干複雑になる。