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ライセンス用語の意味

(1)FRR(First Refusal Right) & Option Right

 

今話題の国連決議やサミットの共同声明では、時として、国内向けと国外向けで異なった解釈が(玉虫色解釈)されることがある。これは、合意出来ないものに合意した様に見せかけるための苦肉の策でも有ろう。国内向けと国外向けでは異なった解釈が出来るような曖昧な文章が有効なのである。一方、契約書では、提携をすることにより両者のパイが大きくなることは、双方合意の見解であり、必ず両者共が満足出来る解が有ることは明瞭であるので、玉虫色の条文は望ましくはないのである。

 

ライセンス契約で使用される言葉で、定義するまでもない世界共通の用語だと思っていたら、両者間で全く異なった意味を持つ言葉だったりするものもある。Co-promotionの意味合いなどがその例であろう。一方、ライセンス担当の方々みんなの解釈は概ね一致しているが、よく聞いてみたら正確には答えられなかったり、類似の他の用語と意味を取り違えていたりするのが、FRR(First Refusal Right、第一拒否権)とOption Right(選択権)である。

 

FRRというのは、その名の通り、他社へのライセンス許諾を「拒否」する権利である。と言うことは、拒否する対象即ち、他社へのライセンス許諾の機会があって始めて成立する権利である。従って、Licenseeが第一適応症や第一製剤に限定されたライセンス許諾と同時にFRRを貰ったからと言って、将来必ずLicenseeに第二適応症や第二製剤に付いてのofferが来るなどと考えてはならないのである。Licensorが自身やその子会社を通して第二適応症や第二製剤に付いての開発販売を手がける場合には、Licenseeにチャンスが来ないこともあるのである。Licensorが第二適応症や第二製剤に付いて他社へライセンス許諾をする際に、Licensorの一番喜ぶ契約条件を提示出来れば、LicenseeがLicenseを貰えると言うだけの話であり、Licenseとしてそれ程喜ぶことでもないのである。拒否権の対象については、ライセンス・コンサルタントの著名人?と言われる方々でも間違えたりするのである。例えば、『第二適応症や第二製剤に付いてのofferが来たら、最初に自身のライセンス受諾を拒否する権利』などと誤解するものである。自身がライセンスを受けるのは義務ではないのだから、これを断るのを権利という方がおかしい。他社が導入するのを拒否して始めて拒否権といえるのである。

 

一方、Option Right(選択権)というのは、FRRに似て非なるものであるが、しばしば混同される。既に決まっている選択肢の二者択一(二択)である。Licenseeが第一適応症や第一製剤に限定されたライセンス許諾を受ける際に、将来の第二適応症や第二製剤に付いての追加の実施権許諾を既に決まった条件で獲得する権利であり、Licensorが他の第三者にofferしようがLicensorが自己実施を希望しようが、Licenseeは、希望すればそんなことはお構いなしに、或る期間内(Option Period)に二者択一で第二適応症や第二製剤に付いての追加の実施権許諾を受けることが出来るのである。