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契約管理(Alliance Management)

 

Alliance Management

 

一般にライセンス部門(研究所を含む)が担当する役割には、大きく分けて3種類ある。

 

第1番目は、探索評価である。特に導入の場合には、他社技術や製品の探索と評価を行う。科学的技術的評価、特許及び市場性の評価がある。これがうまく機能しないと欲しい製品の導入で他社に先を越されたり、不必要な製品を導入してしまったりする。

 

第2番目は、交渉及び契約締結である。ライセンスと言えばこの第2番目の仕事が中心となることが多い。

 

第3番目は、契約締結後の推進管理業務である。

 

第2番目の仕事が巧くいかないと、不利な経済条件で製品や技術の導入・導出をしたり、契約後5年も10年も経ってから、思いもよらない災難が降りかかってくることになる。

 

ところがである、折角、良い製品が導入出来、技術提携が出来、しかも、両者満足出来る契約条件で契約が締結出来ても、安心出来ないのである。しばしば疎かにされるのがこの3番目の契約締結後の推進管理業務である。英語ではAlliance Managementと言ったりする。最近は、何れの企業でも以前に比べると概ね改善されてはいるが、一昔前までは、ライセンス部門や法務部門以外の部門では、契約書(特に英文は論外)を読むことも出来ず、必要な推進管理が出来なかったものである。例えば、導出した製品のroyaltyの入金が遅れても気が付かなかったり、導入した製品のmilestone paymentの支払いが遅れたりしたものである。

 

契約書が締結されて一安心ではないのである。何のために契約を締結したかを考えてみれば自明の理であろう。致命的な例としては、sponsored research collaborationでの推進管理の失敗がある。屡々見られるのは、資金援助先の研究の進展を把握していないで、知らないうちに勝手に特許出願されたり、勝手に雑誌に投稿されたりすることになる。ひどい場合には、契約期間終了後になって始めて相手方が勝手に誘導体を合成して特許出願していることに気が付いて慌てたりするのである。大体が研究者に推進管理まで任せている場合の失敗である。失敗しないための方策としては、alliance managementの責任部門を組織することと、適宜に相手方とJoint Meetingを開催することと、情報の適切な整理・管理と自社内関連部署間の情報の共有化がある。