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産学連携(1)

「大学発ベンチャー」の半数が赤字

 

昨年の記事であったが、Asahi.com(2004/08/17)に、経産省調査で「大学発ベンチャー」の半数が赤字だったという記事を見たことがある。  

 

経済産業省の調査によると「大学発ベンチャー」の半数は赤字に陥っている。更に起業から事業化までの期間も一般の中小企業と比べて長い。同省は、「ノウハウを持たない研究者が起業し、営業戦略を練る人材が不足していることが原因の一つ」とみていると言うことであった。

 

医薬品・バイオ関連での経験から言えば、産官学連携は、官学と産が互いに相手方のことを理解し合うことから始まる。産学官連携を、もっと狭義に考えて、官学の側から民間に製品・技術を提供して協働することと考えれば、企業が当該製品・技術を求めてきて、連携できるかどうかは、企業にとって魅力的な製品・技術を官学が如何に巧く提示できるかに掛かっていると言える。もっと言えば、同じ研究技術・製品であっても、研究の段階から、如何に魅力的な、他と差別化できる、製品・技術のプロフィルを引き出す実験計画と特許戦略を組むことが出来るかどうかが勝負の分かれ目となる。

 

官学で産学連携に向けてできるのは、自分の技術や製品力を買いかぶり、「良い技術なのだから、座って待っていれば産業界の方から求めて来てくれるだろう」などと考えている研究者や窓口担当者が、もしおれば、もっと目を開くように啓蒙することであろうか。もしも「良い技術なのに民間企業は見る目がない」などと嘆く、甘えの構造があればそれを克服することであろうか。医薬品・バイオ関連に限って言えば、企業研究所の方が遙かに実用的で新規で優れた研究をしているケースも多いのである。もし、官学や大学発ベンチャーの中に本気で企業との連携を目指したい組織があるなら、直ぐにでも、民間の知恵を入れてアライアンス戦略を根本から練り直すことをお勧めしたい。その効果は絶大であろう。